怒涛のセミナーレポ第1弾(教わる技術)

10月第2週から続いていた、複数の関連イベント(ふくいITフォーラム2005、ふくい元気企業フェア2005、第3回アップグレードふくい)が一通り終了し、残務処理を進めながら若干燃え尽き気味の担当です(笑)

とはいえ、この短い間に濃密なセミナーを3本聴講。これを汚いメモのまま残しておくのはもったいないということで、なんとか簡単ではありますがレポートをまとめたいと思っております。
ひとまず時系列順で、先週水曜に聴講した、水上浩一講師の「教わる技術は教える技術」から参ります。

元気企業フェア、セミナープロフィール教わる技術

[講師略歴]
 有限会社ミズカミ商事(P-FACTORY)代表取締役社長。グラフィックデザイナー、ネットショップ店長などを経て、現在は、ネットソリューション事業に従事。自社のホームページを成功させた実績に裏付けられたコンサルティングには定評がある。
 専門ガイドによる日本最大の総合情報サイト「All About(オールアバウト)の「ITトレンドウォッチ」ガイドとして2005年3月22日より活動中。著書として「教わる技術」、「人気ネットショップ店長セキララ奮闘記」(ともにソフトバンクパブリッシング刊)。11月中旬には、「IT企業儲けのカラクリ(仮題)」(ソシム社)を発刊予定。

一にも二にもコミュニケーション。

「うちの社員は言ったことを聞かなくて困る」「1を聞いて10を知るという言葉を知らないのか」といったことをいったり感じたりする上司の方っていらっしゃいますよね。でも、これは、実際に教える側が「教わる」側の立場に立って人間の気持ちをちゃんと理解しているのか?というと正直そうではないだろうと。

社員を育てるためのポイントは「コミュニケーション」

講師は、徹底的に時には1日8時間でも話しをしたそうです。これは何も上司と部下に限らず、夫婦においても当てはまるだろうとのこと。まったくおっしゃる通りです(笑)


そして、教わるための心得というか技術は、大きく以下の3つに分けられるそうです。
[1]目的を明確に持つ。
[2]情報を積極的に収集する。
[3]その情報を有効活用できるように変換し、目的に対して明確な成果を上げる。

特にセミナーなどに出席する場合には、出席する前に質問リストを作るそうです。そして、問題意識を持ちながらセミナーを聴講し、セミナー内で疑問の回答が得られたらチェックをし、セミナー終了後解決していない疑問があった場合には、質疑応答の時間に質問を行う。
実に合理的で当たり前の行動のように思えますが、これを実際に実践している方というのはほとんどいらっしゃらないのではないかと思います。もちろん、自分もそうです。

セミナー・勉強会受講のコツとは?

「知らないということをまず知ろう」謙虚に振舞うことで情報が向こうからやってくるようになる。
「講師を尊敬しよう」講師を尊敬した方が情報を吸収しやすい。
「量稽古の重要性を認識しよう」ドライビングテクニックを上げる方法として、「10万キロの法則」というのがある。これは、10万キロ運転経験を積むことによりドライビングテクニックが向上する。というものであり、単純に量稽古というのは効果があるものだということ。

アイディアの定義とは?

 情報や行動は決して専門分野ばかりでなく全方位的に収集していった方が良く、アイディアというのは情報量が多ければ多いほど浮かぶ率が高まる性質のものだともおっしゃっていました。アイディアの定義は、「あるものとあるものを結びつけたもの」とすれば、情報を一杯持っているほうがその組み合わせのパターンが増えるということだと。時間がない中、効率的に学習しようと思うと専門分野に偏りがちなんですけど、この視点も大事にしたいなと感じました。

ポジティブアングル

 プラス志向とは微妙に意味が違い、「悪いことを良いように捉える」のではなく「そもそも物事に悪いことは一つもない」のが前提であると考えること。その事象はあくまで起こっただけだ、ととらえられるか。すべては受け手側の感じ方だけの問題。
 100キロマラソンを走っていて折り返し地点まで来たときに「もう50キロきたのか」と感じるか「まだ50キロもあるのか」と感じるかの違いであり、事象自体はまったく同じであるがポジティブに捉えられる方が確実に得であると。
 これは性格的な問題もあるかもしれませんが、確かに前向きに捉えられた方が何かと得ですよね。どう考えたところで、目の前で起こっている事象自体を変えられるわけではありませんからね。

 また、マルチアングル思考も大事であるともおっしゃっていました。ある事象についてどういう原因でそこにいたったかについて全方位的に検証を行い変更を加えていくことが大事であると。これ、言葉で言うのは簡単ですが、実際に全方位的な分析を行うのは大変ですよね。もちろん、重要なことだと思います。

インスピレーションを促進する4つの要素とは?

[1]量稽古
[2]問題意識を持ち、深く考え、深層心理に落とし込み、情報キャッチアンテナを開く。
  ([1]と[2]はひらめきがおこる土壌作りといった感じですね。)

[3]退路を断つ(背水の陣)
  (人間追い詰められれば何とかなるといったところでしょうか(笑))

[4]「愛」を選択基準に加える。
 上司は自分をさらけ出すべきだし、そうすることで社員との絆が深まる。コミュニケーションの究極の形といったところでしょうか。確かにこうした視点で社員を捉えている上司・経営者の下で働けることを考えると、単純にうらやましいと思いますよね。


 以上、水上講師はお話し上手といった感じの方ではありませんでしたが(スイマセン。)伝えようとされている内容は、非常に納得のいくお話しでした。とても理解しやすいけれども、忘れがちというか、まさに灯台下暗しといった感じのお話しでした。

 このセミナーで示していただいたことを認識しながら、教わり・そして教える際に実践して行きたいと思います。